庖丁塚供養祭

庖丁塚記念碑と供養祭

庖丁塚記念碑は、調理に欠かせない魚、鳥、菜を慰霊し、役目を果たした庖丁に対して感謝を捧げる意味をこめ、昭和47年、当時の板垣札幌市長をはじめ関係者の力添えをいただき、北海道神宮第二鳥居下に建立されました。

建立以来、毎年、庖丁塚保存委員会の調理師たちが供養祭を行っていましたが、平成10年、第26回供養祭からは札幌市調理師団体連合会が運営を受け継ぎ、現在まで毎年7月に供養祭を行い、維持管理を続けています。

平成19年に記念碑の正面に敷石を配置した際、周囲にアジサイを植えました。以来、毎年、アジサイの植樹を続け、今では、約300株のアジサイが咲き誇る素晴らしい円山公園の一角となりました。

庖丁塚記念碑（あゆみ）

昭和46年４月	発願者渡邊孝四郎が北海道日本料理研究会、在札支部と図り碑建立を企画する。
昭和46年６月	札幌市議会議員中山豊士先生を通じ札幌市碑建立の場所の選定について請願する。
昭和46年８月	高橋大理石工業㈱高橋勇吉社長に碑建立を依頼する。
昭和46年10月	板垣札幌市長並びに関係各位の絶大なるご支援により円山公園内第２鳥居下に設置の内諾をいただく。
昭和46年10月	在札調理師会により碑建立に対する同意を得て、発起人会を発足。
昭和46年12月	板垣札幌市長、渡邊発起人代表の鍬入れにより地鎮祭を執り行う。
昭和47年５月	碑建立発起人会を発展的に解消して碑建立期成会を発足。
昭和47年７月28日	庖丁塚記念碑の完成除幕式並びに供養祭を執行。
昭和48年６月	碑建立期成会を発展的に解消して庖丁塚記念碑保存委員会を発足。
昭和57年６月	記念碑台座の破損ヵ所に応急的修理を行う。
昭和59年４月	碑石に発生した亀裂部分の修理について保存委員会で協議した結果、碑石を自然石にするなど全面改修工事を行うことに決定し、この費用は新たな奉賛者の醵出金によることした。
昭和59年５月	関係機関に改修工事の許可申請をするとともに才田石材工業に改修工事を発注。
昭和59年８月30日	改修工事完成し、第12回供養祭を執行。
平成10年９月６日	庖丁塚記念碑保存委員会から、委譲を受け当連合会が第26回供養祭を実施する。
平成11年	記念碑の排水溝設置工事を行う。
平成19年	庖丁塚記念碑35周年に当たり、記念祝賀会を行うともに次の事業を行う。庖丁塚記念碑供養祭記念碑の正面の敷石を置き、碑の周囲に庭石を配置し、さらにアジサイを植えた。従来後にあった賛者碑を向かって右に移設し、奉賛者碑１基を向かって左に新設する。
平成20年	記念碑周囲に各調理師団体、関係団体・会社のご協力・ご支援によりアジサイの植樹を行う。記念碑に向かって右側に「調理師とアジサイ」について記載したプレート板を設置する。
平成21年７月30日	札幌市名誉調理師制度を創設し、供養祭で15名に登録票を交付する。
平成23年	記念碑周囲にさらにアジサイの植樹を行う。
平成24年６月	記念碑が40年を迎えることから、コーキング、クリーニングと文字への墨入れを行う。
平成26年7月	山側の散策路に通じる「枕木階段」を設置する。
平成27～令和1年	新名誉調理師のアジサイ植樹の他に、毎年30株の植樹を行う。
令和4年5,6月	記念碑が50年を迎えることから、クリーニング、文字への墨入れ及びアジサイの植樹整備を行う。

庖丁塚碑文

庖丁塚記念碑は、静かな山と清き川の流れの円山公園第二鳥居下に今から40年前の昭和47年７月に建立されました。

当時の記念碑は写真の様なものでしたが、昭和59年９月に台座と碑石を新しくして現在の形になりました。
その後記念碑の補修・改修工事や周囲の環境整備やアジサイを植樹するなど、今では円山公園の一角で美しいものとなりました。

建立時の庖丁塚記念碑
（昭和47年7月・完成記念誌スケッチから）

庖丁塚魚鳥記念碑とアジサイ

アジサイは、日本で生まれた世界に誇れる花木です。
その祖先は伊豆地方などの海岸に野生するガクアジサイが改良されたもので、ヨーロッパはもより広く全世界で栽培されております。
アジサイの花は咲いていくうちにだんだん色が変化していきます。
土が酸性だと青くなり、アルカリ性だと赤くなります。この様に美しく変化することから「七変化」と言われています。
料理の世界においても、素材にいろいろと手を加えることにより、美味しく変わっていくことは同じです。
アジサイは、この円山公園の敷地に建立された庖丁塚魚鳥記念碑にふさわしい花木と考え植樹しました。

平成21年７月30日
札幌市調理師団体連合会